ヒートシンク設計の前に
ヒートシンク選定方法
放熱設計ポイント
移動形態 | 用語説明 | 具体例 | ヒートシンクでのパラメータ |
熱伝導 | 物質内を熱だけが移動する形態 | アルミ材の端を温めるとアルミ全体に伝わっていく。 | 材質、熱輸送距離、熱輸送断面 |
熱伝達 | 物質とともに熱が移動する形態 | 扇風機を使うと体温により温められた体周辺の空気が移動して、室内の温められてない空気と交換されるため、涼しく感じる。 | フィンピッチ、フィン表面積 |
放射 | 電磁波により熱を移動する形態 | 太陽により地面が温められる。 | 環境温度 |
その3種類の移動形態+コストを考慮して、最適なヒートシンクの設計・選択を行います。ヒートシンクを設計・選択する際に表2が重要なポイントとなります。
表2 ヒートシンク設計・選択時ポイント
条件 | 設計時注目すべき熱の移動形態 | コメント | ||
熱伝導 | 熱伝達 | 放射※ | ||
自然空冷 | 〇 | 有効な表面積が稼げるかがポイント。そのため、「性能が良い=ヒートシンクが巨大」となりやすい。 | ||
強制空冷 | 〇 | フィンへ効率よく熱が伝えられるかが勝負である。場合によってはヒートパイプ等の高熱伝導デバイスを用いることもある。 | ||
全面加熱 | 〇 | フィン設計が重要なポイントとなる。加熱部が中央配置の場合、ヒートシンクベース面積の50%以上が受熱面積であれば、全面加熱に近い。 | ||
集中加熱 | 〇 | ヒートシンクを大きくしても性能が上がらず、逆に悪くなることもある。性能をあげるためにはベース面全体へどう熱を伝えるかが重要となる。加熱部が中央配置の場合、ヒートシンクベース面積の30%以下が受熱面積であれば、集中加熱に近い。 |
※放射は環境条件によりかなり左右されるため、当社としましては+α要因として設計時には考慮致しません。